「住むなら何区が高いのか」「どの区が今いちばん上がっているのか」。この記事では、国土交通省が毎年公表する地価公示(公示地価)の2026年(令和8年)の結果を、東京都財務局がまとめた区別の表から読み、23区の住宅地の平均価格と上昇率をランキングにしました。
順位は公表された平均価格・変動率をそのまま並べたものです。マンションの販売価格ではなく土地の値段であること、平均の出し方にクセがあることもあわせて説明します。
公示地価とは?この記事の物差し
地価公示は、国土交通省の土地鑑定委員会が、全国の決まった地点(標準地)について毎年1月1日時点の1㎡あたりの価格を判定して公表するものです。土地の取引の目安として、1970年から毎年行われています。
2026年の東京都分は2,602地点(うち調査を行ったのは2,560地点)で、住宅地は1,663地点です。この記事では、そのうち23区の住宅地について、東京都財務局が公表した次の2つの数字を使います。
| 物差し | 中身 |
|---|---|
| 平均価格 | その区の住宅地の地点の価格の平均(円/㎡) |
| 変動率(上昇率) | 前の年と比べられる同じ地点どうしの、1年間の値動きの平均(%) |
なお、毎年7月1日時点で都道府県が調べる「基準地価(都道府県地価調査)」は別の調査です。数字を比べるときは混ぜないようにしてください。
住宅地の平均価格ランキング(23区)
2026年1月1日時点の、住宅地の平均価格が高い順です。「前年の順位」は2025年の同じ表の平均価格で当サイトが並べたもの、「地点数」は2026年に調べた住宅地の地点の数です。
| 順位 | 区 | 平均価格(円/㎡) | 上昇率 | 前年の順位 | 地点数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 千代田区 | 3,631,400 | 10.7% | 1 | 7 |
| 2 | 港区 | 3,013,700 | 16.6% | 2 | 30 |
| 3 | 中央区 | 1,930,000 | 13.8% | 3 | 9 |
| 4 | 渋谷区 | 1,874,100 | 11.0% | 4 | 25 |
| 5 | 文京区 | 1,448,100 | 13.8% | 5 | 23 |
| 6 | 目黒区 | 1,404,500 | 13.7% | 6 | 32 |
| 7 | 台東区 | 1,320,800 | 14.2% | 7 | 6 |
| 8 | 品川区 | 1,244,100 | 13.9% | 8 | 30 |
| 9 | 新宿区 | 1,131,600 | 11.2% | 9 | 28 |
| 10 | 豊島区 | 912,100 | 12.9% | 10 | 23 |
| 11 | 中野区 | 782,700 | 9.0% | 12 | 27 |
| 12 | 世田谷区 | 779,900 | 7.0% | 11 | 109 |
| 13 | 北区 | 742,000 | 11.6% | 13 | 31 |
| 14 | 荒川区 | 718,700 | 11.8% | 15 | 16 |
| 15 | 杉並区 | 703,200 | 8.2% | 14 | 62 |
| 16 | 江東区 | 661,500 | 11.9% | 17 | 26 |
| 17 | 大田区 | 647,600 | 7.9% | 16 | 55 |
| 18 | 墨田区 | 613,300 | 13.2% | 18 | 11 |
| 19 | 板橋区 | 553,600 | 8.5% | 19 | 47 |
| 20 | 練馬区 | 480,500 | 6.2% | 20 | 90 |
| 21 | 江戸川区 | 441,100 | 5.7% | 21 | 69 |
| 22 | 足立区 | 410,800 | 6.3% | 22 | 71 |
| 23 | 葛飾区 | 387,500 | 5.6% | 23 | 44 |
区部全体(23区)の住宅地の平均価格は856,400円/㎡、上昇率は9.0%でした。
1位と23位の差は約9.4倍:千代田区(3,631,400円)は葛飾区(387,500円)の約9.4倍です(当サイト計算)。仮に100㎡の土地に当てはめると、千代田区は約3億6,314万円、葛飾区は約3,875万円という計算になります。実際の土地の値段は場所や形で大きく変わるため、目安の比較として見てください。
上位10区の顔ぶれと順番は2025年と同じでした。入れ替わったのは11位以下で、中野区と世田谷区、荒川区と杉並区、江東区と大田区が、それぞれ順位を入れ替えています。
上位の区を詳しく
1位:千代田区(平均3,631,400円/㎡)
平均価格は23区で最も高い数字です。1坪(約3.3㎡)に直すと約1,200万円になります(当サイト計算)。ただし住宅地の地点は7つしかなく、番町・九段などの一部の地点の価格が平均を大きく動かします。上昇率は10.7%で、23区の中では14番目でした。
2位:港区(平均3,013,700円/㎡)
平均価格は2位ですが、上昇率16.6%は23区で最も高い数字です(前年は12.7%)。全国の住宅地で最も高い地点も港区にあり、赤坂一丁目の地点が1㎡あたり711万円(前年比20.5%)でした。
3位:中央区(平均1,930,000円/㎡)
月島・勝どき・佃・晴海など、マンションが多い地域の地点が並ぶ区です。上昇率は13.8%と、前年(13.9%)に続いて高い水準でした。湾岸エリアの地点ごとの数字は湾岸エリアの地価2026で詳しく見ています。
4位〜10位のポイント
- 4位 渋谷区(1,874,100円):上位3区に近い水準。上昇率は11.0%。
- 5位 文京区・6位 目黒区:どちらも上昇率13%台。都心に近い住宅地として、平均価格は140万円台です。
- 7位 台東区:上昇率14.2%は23区で2番目の高さ。ただし住宅地の地点は6つだけです。
- 8位 品川区:上昇率13.9%で3番目。地点数は30と多めです。
- 9位 新宿区・10位 豊島区:豊島区は前年10.5%から12.9%へ上昇幅が広がりました。
上昇率ランキング:今いちばん上がった区
価格の高さではなく、1年間でどれだけ上がったかで並べると、順番が変わります。2026年は23区すべてで住宅地の変動率がプラスになり、これで5年続けて全区プラスです。
| 上昇率の順位 | 区 | 2026年 | 2025年 | 平均価格の順位 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 港区 | 16.6% | 12.7% | 2位 |
| 2 | 台東区 | 14.2% | 10.2% | 7位 |
| 3 | 品川区 | 13.9% | 11.9% | 8位 |
| 4(同率) | 中央区 | 13.8% | 13.9% | 3位 |
| 4(同率) | 文京区 | 13.8% | 11.8% | 5位 |
| 6 | 目黒区 | 13.7% | 12.5% | 6位 |
| 7 | 墨田区 | 13.2% | 9.8% | 18位 |
| 8 | 豊島区 | 12.9% | 10.5% | 10位 |
| 9 | 江東区 | 11.9% | 8.7% | 16位 |
| 10 | 荒川区 | 11.8% | 8.9% | 14位 |
平均価格では18位の墨田区が上昇率では7位、16位の江東区が9位に入っています。価格が中くらいの区でも、都心の区に近い勢いで上がっていることがわかります。
一方、上昇率が小さかったのは葛飾区(5.6%)、江戸川区(5.7%)、練馬区(6.2%)でした。この3区も、上昇率は前年(5.4%・5.1%・5.3%)より大きくなっています。
23区の地価は下がったこともある
今は上がり続けている23区の住宅地ですが、過去には下がった年もあります。東京都財務局がまとめた区部の住宅地の変動率を、いくつかの年で抜き出しました。
| 年(1月1日時点) | 区部の住宅地の変動率 | できごと(参考) |
|---|---|---|
| 2007年 | 11.4% | 上昇 |
| 2008年 | 10.4% | 上昇 |
| 2009年 | ▲8.3% | 前年秋に世界的な金融危機 |
| 2010年 | ▲6.8% | 下落が続く |
| 2011〜2013年 | ▲1.3%〜▲0.2% | 小幅な下落が続く |
| 2014〜2020年 | 1.8%〜4.8% | 上昇 |
| 2021年 | ▲0.5% | 新型コロナの時期 |
| 2022〜2026年 | 1.5% → 9.0% | 上昇幅が毎年広がる |
2008年まで2年続けて10%を超えて上がったあと、2009年・2010年は大きく下がりました。今の上昇がこの先も続くとは限りません。数字は「これまでの動き」として読み、将来の値上がりを前提にした判断は避けましょう。
平均価格を見るときの注意点
- 地点の数が区によって大きく違う:世田谷区は109地点ありますが、台東区は6地点、千代田区は7地点です。地点が少ない区では、一部の地点の価格が平均を大きく動かします。
- 平均価格の変化と上昇率は別物:上昇率は同じ地点どうしを比べた数字です。平均価格は、地点の入れ替えや追加でも変わります。値動きを見るときは上昇率を使いましょう。
- 土地の値段で、マンションの価格ではない:マンションの価格には建物の費用なども含まれます。区ごとのマンション相場とは一致しません。
- 1月1日時点の判定:その後の値動きは含みません。
住まい選びでの使い方
- 候補の区の「水準」を知る:平均価格で、候補の区がどのくらいの価格帯かをつかみます。
- 「勢い」を見る:上昇率と前年の上昇率を並べて、上昇幅が広がっているか、落ち着いてきたかを見ます。
- 駅や町の単位まで下りる:区の平均は大まかな物差しです。国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、地点ごとの公示地価や、実際の取引価格を地図で確かめられます。
- 価格以外の条件も確かめる:通勤時間、学校、災害のリスク(ハザードマップ)など、地価に表れない条件も比べましょう。
まとめ
- 2026年の23区の住宅地の平均価格は、1位千代田区・2位港区・3位中央区。上位10区の順番は前年と同じ。
- 1位と23位の差は約9.4倍。
- 上昇率は港区の16.6%がトップ。墨田区・江東区など、価格が中くらいの区も上昇幅が広がった。
- 23区全体では5年続けて全区プラスだが、2009年・2010年や2021年のように下がった年もある。
出典・注意書き
基準日:2026年10月時点(地価公示の調査基準日は2026年1月1日)
- 東京都財務局「令和8年地価公示価格(東京都分)の概要」(区市町村別用途別平均価格表・対前年変動率・地点数一覧表・地価公示年別変動率):https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/zaimu/01_R8kouji_gaiyou
- 東京都財務局「令和7年地価公示価格(東京都分)の概要」(前年の平均価格・変動率):https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/zaimu/01_r7gaiyou
- 国土交通省「地価公示」(制度の説明・全国の結果):https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/tochi_fudousan_kensetsugyo_fr4_000001_00324.html
- 国土交通省「不動産情報ライブラリ」(地点ごとの公示地価・取引価格の確認先):https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
前年の順位、1位と23位の倍率、100㎡・1坪あたりの金額は、上の公表値から当サイトが計算したものです。
ご注意
- 地価は基準日時点の公表値で、将来の価格や資産価値を示すものではありません。
- 平均価格は区内の地点の単純な平均で、地点の数や入れ替えによって変わります。個別の土地・建物の価格とは異なります。
- 順位は公表値を当サイトが並べたもので、国が発表した順位ではありません。
- 売買の判断は、不動産会社・金融機関などの最新情報もあわせてご確認ください。