「東京のマンションは高くなりすぎた」とよく言われます。では、実際にどれくらい上がったのでしょうか。この記事では、国土交通省が毎月公表している不動産価格指数(住宅)の東京都のデータを使い、マンション価格の推移を確かめます。

あわせて、戸建て住宅・住宅地(土地)との違いや、価格が下がった時期も見ていきます。広告や販売資料の数字ではなく、国の統計だけで整理しました。

不動産価格指数とは

不動産価格指数は、国土交通省が実際の取引価格の情報をもとに作っている、不動産の値動きを表す指数です。2010年の平均を100として、それより高いか低いかで表します。たとえば200なら、2010年の平均の2倍の水準という意味です。

住宅は「住宅地」「戸建住宅」「マンション(区分所有)」に分かれていて、東京都・愛知県・大阪府は都府県ごとの数字もあります。この記事では、季節による動きをならした季節調整値を使います。

東京のマンションの指数の推移

東京都のマンション(区分所有)の指数を、各年の12月の値で並べました。

年月東京都のマンションの指数
2010年12月103.8
2012年12月99.3
2013年12月110.5
2015年12月125.9
2018年12月143.6
2020年12月159.3
2021年12月169.9
2022年12月184.6
2023年12月195.2
2024年12月214.1
2025年12月234.8
234.8
2025年12月(2010年平均=100)
約47%
5年間の上昇(2020年12月から)
約10%
1年間の上昇(2024年12月から)

2025年12月の234.8は、2010年の平均の約2.3倍の水準です。2012年12月(99.3)からは2倍を超え、2020年12月(159.3)からの5年間で約47%、2024年12月(214.1)からの1年間で約9.7%上がりました(上昇率は当サイト計算)。

同じ2025年12月の全国のマンションの指数は225.1で、東京都はそれを上回っています。住宅地・戸建住宅・マンションをまとめた東京都の「住宅総合」は182.1でした。

大阪府・愛知県と比べると

2025年12月マンションの指数
東京都234.8
大阪府233.1
愛知県196.5
全国225.1

大阪府も東京都とほぼ同じ水準まで上がっています。ただし指数は「2010年と比べた上がり方」を表すもので、1戸あたりの価格の高さを比べたものではありません。

戸建て・土地と比べると

同じ東京都の、住宅地(土地)と戸建住宅の指数と並べます。

東京都2020年12月2025年12月5年間の変化
マンション(区分所有)159.3234.8約47%上昇
住宅地115.5144.4約25%上昇
戸建住宅109.6133.2約22%上昇

戸建てや土地も上がっていますが、マンションの上がり方が一番大きいことがわかります。2010年を100として見ると、マンションは2倍を超えたのに対し、戸建住宅は約1.3倍、住宅地は約1.4倍です。

なぜマンションだけ大きく上がったのか、その理由までは指数からはわかりません。「建築費が上がったから」「都心で人気があるから」など、さまざまな説明がされますが、この記事では数字の事実だけを押さえておきます。

下がった時期もある

東京都のマンションの指数は、2008年4月の101.0から、2009年7月には93.6まで下がりました(約7%の下落・当サイト計算)。93.6は、公表されている2008年4月以降で最も低い値です。その後、2010年代前半は100前後で横ばいが続き、はっきり上がり始めたのは2013年ごろからでした。

また、月ごとの値は上下に振れます。2025年も、3月の225.2から4月は221.2へ、8月の234.1から9月は231.8へ下がりました。1か月の動きだけで判断せず、年単位の流れで見ることが大切です。

土地はバブル期の水準より低い

東京都の住宅地の指数は、参考として1980年代までさかのぼれます。

年月東京都の住宅地の指数
1989年12月335.5
2002年12月113.6
2025年12月144.4

バブル期の1989年12月は335.5でしたが、2002年12月には113.6まで下がりました。2025年12月の144.4は、今も1989年の半分以下です。土地の値段は、長い目で見ると大きく下がった時期があったことがわかります。なお、マンションの指数は2008年4月からしかありません。

指数を読むときの注意点

  • 価格そのものではない:指数は「2010年の平均と比べて何倍か」を表すもので、1戸あたりの価格(〇〇万円)ではありません。
  • 最新の数字は速報値:公表から3か月間は改訂されることがあります。2025年12月分は、取引の件数(サンプル数)が580件と、ほかの月より少なくなっています。
  • 2026年1月分以降は公表が延期中:国土交通省は、計算のプログラムに不具合が見つかったとして、2026年4月以降の公表を延期しています(2026年9月28日のお知らせ)。そのため、この記事は2025年12月分までの数字です。
  • 東京都全体の平均:区・駅・物件ごとの値動きは、この指数とは違うことがあります。
  • ほかの物差しと重ねる:土地の値段を表す公示地価では、2026年1月1日時点で23区の住宅地が1年で9.0%上がりました(東京23区の地価ランキング2026)。測っているものが違うので、いくつかの数字を重ねて見るのがおすすめです。

買う人・売る人の使い方

  • 買う人:今の価格が、過去と比べてどの位置にあるかを知る物差しになります。価格が高い時期ほど借入額も大きくなりやすいので、金利が上がった場合の返済額まで試算してから、無理のない予算を決めましょう。
  • 売る人:自分のマンションを買った時期の指数と今の指数を比べると、相場全体がどれだけ動いたかの目安になります。ただし、個別の物件の価格は立地・築年数・管理の状態で変わります。実際の取引価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で近くの事例を確かめられます。
  • 投資用マンションを考える人:これまでの値上がりは、これからの値上がりを約束するものではありません。空室が続くリスク、金利上昇で返済が重くなるリスク、売りたいときにすぐ売れない(売却しにくさ)リスクもあわせて検討してください。

まとめ

  • 東京都のマンションの指数は2025年12月に234.8。2010年の平均の約2.3倍。
  • 5年で約47%、1年で約10%の上昇。戸建て(約22%)や土地(約25%)より上がり方が大きい。
  • 2008年から2009年にかけて下がった時期があり、土地の指数は今もバブル期の半分以下。
  • 最新は速報値で、2026年分は国の公表が延期中。数字は「これまでの動き」として使う。

出典・注意書き

基準日:2026年10月時点(不動産価格指数は2025年12月分まで。2026年3月31日公表分)

2008年3月以前の住宅地の指数は、国土交通省と公益社団法人東京都不動産鑑定士協会のデータです。上昇率・倍率は、上の公表値から当サイトが計算しました。

ご注意

  • 指数は基準日時点の公表値(最新月は速報値)で、将来の価格や資産価値を示すものではありません。
  • 指数は東京都全体の値動きを表すもので、個別の物件の価格とは異なります。
  • 特定の物件の購入・売却・投資をおすすめするものではありません。判断は、不動産会社・金融機関などの最新情報もあわせてご確認ください。

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